宇都宮病院
美容皮膚科・形成外科

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専門医による形成外科診療について

*当院では毎週金曜日11時から17時まで和歌山県立医大の形成外科専門医による診療を行っております。

  1. 形成外科とは

    形成外科とは、生まれつきや加齢・事故などにより生じた外表(身体の表面)の異常に対して、機能的に “より 美しく” する外科学です。特定の臓器・組織を持たず、身体のあらゆる部位の再建を行う外科であり「美と血流の外科」とも称され、その診療範囲は外科系の中でも突出しております。
    頭から手足の先(爪)まで、あらゆる身体に生じた外表の変形(醜形)に対して、 様々な手技を用いて、患者さんの「心」を変える(コンプレックスを解消する)科です。

当院で診察・相談が可能な疾患

  1. 皮膚のできもの(良性・悪性)

    「背中にあったできものが膨らんできた」
    「生まれつき顔に大きなほくろがある」
    「皮膚のがんが心配だ」などのお悩みはありませんか?
    形成外科では、皮膚の表面あるいは、皮下組織(皮膚の下)にできた、ほくろ、いぼ、できもの等について診察、治療を行います。
    皮膚のできものには、良性から悪性のものまで様々なものがありますが、悪性腫瘍では出血する、汁がでる、急速に大きくなる、周囲との境目が不明瞭でいびつになることなどの特徴があり、このような場合には特に注意が必要です。
    病変の部位、形、大きさ、性質などによって治療の手順や方法が異なります。
    正確な診断のためには手術療法により摘出し、病理組織検査を行う必要があります。
    基本的にこれらの皮膚腫瘍を切除した際には、傷跡はゼロにはなりませんが、我々形成外科医の強みを生かして、傷跡をなるべく目立たなくする工夫を行います。
    治療法については外来診察の上で、最適な方法をご提案させて頂きます。

  2. ケロイド(盛り上がった傷跡)

    ケロイド・肥厚性瘢痕とは

    正常な傷は、治る過程で一時的に赤みや硬さが目立っても、半年〜1年をかけて目立ちにくい白い傷となります。しかし、なんらかの異常で傷の治りが遅くなると、皮膚を作る線維細胞が過剰に産生され、その線維の増生で傷が赤くなり盛り上がった目立った傷となり、それを私たちは「ケロイド」や「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」と呼びます。
    「肥厚性瘢痕」は、数年をかけて自然退縮しますが、「ケロイド」は、もともとの傷の範囲を越えて正常皮膚まで赤みや盛り上がりが広がり、退縮傾向を示しません。かゆみや痛みを伴う場合もあります。見た目で両者を明確に区別することは困難ですが、行う治療は両者でほとんど変わりません。

    ケロイド・肥厚性瘢痕の治療

    治療は、大きく分けて、外科的治療と保存的治療の二つがあります。

    ・外科的治療(手術)
    最も根本的な治療で、盛り上がった部分を切除する方法です。当科では形成外科的手技を用いて縫合し、目立ちにくい傷を目指します。適宜、保存的療法(内服薬、圧迫療法、放射線療法など)を併用します。

    ・保存的治療(手術以外)
    ステロイドの局所注射やステロイド含有テープを使用し、かゆみ・痛みといった症状の軽減や、盛り上がり・硬さの改善を目指します。

    外科的手術が必要な場合は、和歌山県立医大の形成外科に紹介という形になります。診察によっては、外科的治療が困難である場合もあります。まずは当科外来にて、ご相談ください。

  3. リンパ浮腫

    リンパ浮腫とは体にたまった老廃物を運搬するリンパ管が何らかの原因によりふさがり、皮膚や脂肪組織の間に体液がたまった結果、むくみ(浮腫)が生じた状態のことをさします。

    生まれつきリンパ管やリンパ節の形成不全や機能障害がある場合に発症 する一次性(原発 性)リンパ浮腫と、子宮がんや乳がんなどの手術後に発症する二次性(続発性)リンパ浮腫 があり、二次性リンパ浮腫が全体の80~90%を占めています。一度発症すると、難治性で徐々に進行していきます。

    また蜂窩織炎と呼ばれる感染症状を繰り返したり、リンパ瘻という皮膚表面からリンパ液が漏れ出る状態になると、皮膚がざらざらして硬くなる症状 ( 家皮 ) を引き起こすことになり、生活の質を大きく低下させます。リンパ浮腫に対する治療は、保存療法(用手的リンパドレナージ(マッサージ)、弾性包帯やストッキングによる圧迫、運動療法)と手術療法です。

    手術療法であるリンパ管静脈吻合術 (Lymphaticovenular Anastomosis: LVA) は手術用顕微鏡を使って 0.5㎜前後のリンパ管と静脈をつなぎ、リンパ液を外に流す道を作る方法です。またリンパ管がすでにリンパ液を押し流す力を失っている場合は、他の場所から正常なリンパ組織を移植する手術を行うこともあります。手術療法の適応については、保 存的加療の効果と画像評価などを加味した上でリンパ浮腫の担当医と協議して判断いたします。

  4. 腋臭症(わきが)とは

    わきがとは、一般的に汗とともにわきから不快な臭いが発せられる状態のことを言い、医学的には「腋臭症 (えきしゅうしょう) 」と呼びます。汗腺にはアポクリン腺とエクリン腺の2種類ありますが、臭いの原因はアポクリン腺から分泌される汗が酸化することによるとされています。通常、思春期ごろから発症することが多く、加齢とともに症状は目立たなくなることが多いです。また腋臭症と耳垢は関連があり、腋臭症のほぼ全員(98%)が軟耳垢(湿った耳垢)で、軟耳垢の多く(約80%)に腋臭症があると言われています。腋臭症の体質は遺伝で、両親の一方が腋臭症の場合は約50%の確率で子どもに遺伝します。必ず遺伝するわけではありませんが、両親のどちらかが腋臭症の場合は子どもも腋臭症の可能性が高くなります。

  5. 腋臭症の治療法

    侵襲の少ないものから順に解説していきます。

    1 塩化アルミニウム
    20%塩化アルミニウムに10%グリセリンのシンプルな組成。
    基本的には制汗剤ですが、結果的ににおいも抑えるため、腋臭症の方にも有効です。

    2 エクロックゲル5% (2020年11月26日から処方可能)
    作用機序はソフピロニウム臭化物がエクリン汗腺のムスカリン受容体サブタイプ3を介したコリン作動性反応を阻害し、発汗を抑制します。

    3 ボツリヌス製剤の注射
    「内服も制汗剤もいまひとつ、汗は止めたい、でも手術はしたくない」方や思春期以前の方を対象とすることが多いです。注射してから4~7日後に効果が出現し、効果は6~10ヶ月持続します。

    *当院ではボトックス注射は行っていないため、医大へのご紹介となります。

    4 手術 (剪除法(皮弁法))
    腋に1、2か所4~5cmの切開を入れ、皮膚を裏返して汗腺をじかに見ながらハサミで切除していく方法で、基本は入院していただき局所麻酔で手術しますが、ご希望があれば全身麻酔も選択できます。当科ではガーゼで圧迫するタイオーバー固定ではなく、ドレーン(創部に陰圧をかける管)による固定法を適応しており術後の制限を最小限にしています。

    *手術の場合は、和歌山県立医大の形成外科に紹介という形になります。

  6. 陥入爪・巻き爪

    巻き爪は爪が横方向に大きく曲がり皮膚に食い込んでいる状態のことで、主に足の親指の爪に見られます。陥入爪(かんにゅうそう)とは爪の端が皮膚に食い込むことによって、腫れや痛みが生じている状態のことをいいます。陥入爪になると歩行できないほどの痛みを伴うこともあり治療が必要となります。
    治療法は保存的治療と手術療法があります。
    当科では、保存的治療として爪切り指導やテーピング、コットンパッキング法やガター法などを行っております。
    それでも症状が良くならない場合は、手術療法としてフェノール法を行っております。

    コットンパッキング法

    爪の端にコットンを詰めることにより、隙間ができて皮膚への刺激を和らげることができます。

    ガター法

    爪にチューブをかぶせる治療です。コットンパッキングと同様、皮膚への刺激を和らげる方法です。

  7. 眼瞼下垂症 / 上眼瞼皮膚弛緩症

    眼瞼下垂ではまぶたが下がり、まぶたが開きづらくなり物が見えにくくなります。これらは先天性(生まれつき)と後天性に分けられます。

    先天性眼瞼下垂症

    生まれつき眼瞼挙筋やミュラー筋の働きが弱いため、十分にまぶたを開くことが困難になります。手術時期は4-5歳以降で行われることが一般的です(視野が高度に障害されている場合には、弱視など視力障害が生じる可能性があるため早期手術を行うこともあります)。手術は眼瞼挙筋やミュラー筋の残存機能の程度によりますが、多くは側頭筋膜による吊り上げ術を行っています。

    後天性眼瞼下垂症

    多くは加齢性眼瞼下垂症であり、年齢とともに皮膚がたるむことや、瞼をあげる筋肉や腱が緩んでいることが原因です。手術は局所麻酔下にたるんだ皮膚を切除したり、緩んだ腱膜や筋肉を固定しなおします(挙筋前転法)。眼瞼挙筋がほとんど機能していない場合には、筋膜による吊り上げ術を行うことがあります。これらの手術方法については、患者様の状態や希望に合わせて最適な治療法をご提示いたします。手術翌日から洗顔が可能で、5-7日後に外来にて抜糸を行います。

    上眼瞼皮膚弛緩症

    主に加齢によりたるんだ皮膚がまぶたに被さることによって物が見えにくくなります。手術は局所麻酔下に眉毛の下で余った皮膚を切除する場合と、二重の線で皮膚を切除する場合があります。

    *眼瞼下垂の手術の場合は、和歌山県立医大の形成外科に紹介という形になります。

その他、様々な外見上のお悩み等ございましたら一度ご相談ください。
簡単な処置は当院にて行いますが手術を伴う場合は、和歌山県立医大の形成外科に紹介という形になります。
まずは、当院外来受診の上、ご相談くださいませ。